ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
勢いよくベッドに身を起こし、
今度は本当に怒ってしまった。
「違います!
久遠さんと付き合いたいなんて、思っていません!
そんな質問、卑怯です!」
久遠さんは、またしばらく無言になる。
それから、
「そうか……」
それだけ口にした。
立ち上がり、彼は部屋を出て行こうとしている。
その横顔に影が射した。
落ち込んでいるように見えるのは、私の気のせい……?
「あの、久遠さん……?」
ベッドから身を乗り出し顔を覗き込もうとしたが、
部屋の電気を消されてしまった。
「お休み」
そう言葉を残し、扉が閉められた。
真っ暗な部屋で、一人ベッドに座り考え込む。
もしかして私……
久遠さんを傷つけてしまった?
そう思った言葉を、すぐに自分で否定した。
彼が傷つく理由はない。
私のことを何とも思っていないのだから。
傷ついているのは、
私だけのはず……。
――――……