ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
高級フランス料理をご馳走してもらっている……。
彼に言われて、その事実が重みを増した。
グッサリ胸に突き刺さり、先程の疑うような発言を反省した。
「すみません」と小さな声で謝る私に、彼は言う。
「嘘をついていると疑われて傷つきましたが、初対面なので仕方ありません。
これから少しずつ、分かり合っていけばいいと思います。
田丸さんの信頼を得られるよう努力しますので、
君も僕を信じる努力をして下さい」
信じる努力。
それが私のすべき事だと、語気をやや強めて彼は言った。
傷つけてしまったことも含めて、
自責の念が湧いてしまう。
巧みな話術に操られるかのように、
片岡さんを信じなければいけない気持ちになっていた。