ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「RED'sビール!?」
バーラウンジのカウンター裏にあった、RED'sビールのサーバーを思い出していた。
マスターと顔なじみと言ったのは、客として通いつめたからでも、友人だからでもなく、
ビールを下ろす関係での、仕事的な繋がりだったのかも。
怪しむポイントがきちんとあったのに、気付かずに騙され続けた私は、本当にバカだ。
業界で悪名高いRED'sビールの人間が、私を人質に久遠さんの研究を奪おうとしている……。
彼の狙いはこれに違いないと思ったが、一部分は外れていた。
彼が立ち上がり、ゆっくり近づいてきた。
逃げたくても、四肢を縛られ逃げ出せない。
ベッドの端に腰掛けた彼から、お尻の位置をギリギリまで離すのが精一杯だった。