ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
私の上に乗る卑怯者は、ベルトを外し終えて、ズボンのファスナーを下げていた。
見たくもない物体が顔を覗かせ、
反射的に顔を背けてしまう。
彼が嘲笑う。
「嫌だろ?俺に犯されるのは。
もう一度だけ聞いてやる。
データを盗んでこい。
従わないなら、本気で犯してネット中継してやるぞ?」
嫌で嫌で堪らないけど、最終解答も、もちろんNO。
例え女としての人生が終わったとしても、久遠さんを裏切るのは絶対に嫌だった。
口にはネクタイが押し込まれているので、首を横に振り意思表示をした。
諦めの涙を流して目を閉じると、
瞼の裏に久遠さんの顔が浮かび上がった。
会いたくて堪らない……。
今は真夜中。
ぐっすり眠っているのだろうか?
それとも、帰らない私を心配して捜している?
捜してくれたとしても、見つけることはできない。
私がこの場所にいることを、誰にも知らせていないから。
大都会のホテルの一室にいる私を、見つけ出すのは不可能だと分かっていた。