ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「後悔しても遅いからな……」
そう言われ、胸に不快な感触を感じた時、
突然ピンポンと部屋のチャイムが鳴らされた。
ハッとして目を開ける。
ベッドから直接ドアは見えない。
ドアに繋がる狭い通路に視線を向けた。
少しだけ期待してしまった。
久遠さんが助けに来たとは思わないけど、
何か異変を感じて、従業員が訪ねてきたのではないかと。
そんな風に助かる可能性に期待してしまった私だが、
彼はチャイムを無視して、行為を続けようとしていた。
「ん゙〜ん゙〜」
ネクタイを詰め込まれた口で、
必死に助けを呼ぶ。
チャイムは一度で終わらなかった。
ピンポンピンポンと、しつこく煩く鳴り響いている。
真夜中のチャイムの連打は、きっと他の部屋にも届いてしまう。
苦情がくるかも知れない状況で、
とうとう彼が無視するのを諦めた。
舌打ちして苛立ちをあらわにし、
私の上から下りてズボンを直す。
床に落とした毛布を手に取り、私の頭までをすっぽり覆い隠すと、
「うるせーな」
そう呟きながらドアに向かった。