ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
社食中の注目を浴びてしまい、
恥ずかしさに赤くなる。
顔が徐々に下降して、
トマトみたいに真っ赤に色付いた時には、すっかり俯いていた。
すると、長い腕が伸びてきた。
意外と綺麗な指先が、私の顎にかかり、
俯いていた顔が、強制的に元に戻されてしまった。
「俺と話している最中に、目を逸らすな」
不機嫌そうな声で、そう言われた。
彼の行動理由に、甘さなんてない。
それを理解しているのは、どうやら私だけのようだ。
周囲のヒソヒソ声にピンクの色がつき、
キャアキャア騒ぎ出した、女子もいた。
中年のオジサン達まで、爪楊枝をくわえて、
ニヤニヤこっちを見ている。