ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
中は広い空間が細かなブースに仕切られ、
蜂の巣みたいな印象だった。
一般的な部署には見られない、
特殊な機械や装置も置いてあり、
時々、シュゴーボコボコと音を立て、怪しさ100%だ。
未開のジャングルに足を踏み入れた気分で、
ビクビクしてしまう。
入り組んだ細い通路を、久遠さんが歩きだした。
怪しい部署で迷子にならないよう、彼の背中を追いかけた。
迷路みたいな通路の両脇は、白いパーテーション。
パーテーションで、各デスクが区切ってあるのだ。
通り過ぎる際に、チラリ覗き見ると、
白衣の見知らぬ男性が、奇妙な行動をしていた。
液体の入った試験管を、マラカスのようにふりながら、
変な歌を歌っている。
「酵母、酵母、酵母菌〜
酵母菌に〜大興奮、Fu〜!」