ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
形のいい唇は私の額にキスして、
頬にキスして、唇にもキスをくれた。
さっきまで私を心配していた手の平も、エプロンを捲り上げ上衣の裾から忍び込み、
直に素肌に触れてくる。
私の耳にカラカラと、何かが回る音が届いていた。
それはミカコさんの回し車が回る音。
どうやらお昼寝から起きたミカコさんは、ただ今運動中のご様子だ。
久遠さんの胸元をぐぐっと押して、幾らか体の距離を離した。
「久遠さん、ミカコさんが見ていますよ?」
体を重ねる時は、いつもベッドの上。
ソファーですると、ミカコさんに見られてしまう。
それを気にして拒んだ私の手は、いともたやすく外された。
私の上に覆いかぶさる久遠さんが、ニヤリと意地悪く笑って言った。
「俺達の愛情を、ミカコに見せつけてやるのも悪くない」
俺達の愛情……?
それってつまり、私からの一方通行の愛情ではなく、
相互通行という意味だよね?
久遠さんは私を愛している?