ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
長身美人の外国のお姉さんには、
何となく劣等感を抱いてしまう。
久遠さんの背中に隠れるようにして、一応来客らしい彼女にペコリと頭を下げた。
英語で喋り出した彼女に、久遠さんは通訳するのではなく、こう言った。
「こいつは英語が分からない。
ミカコ、悪いが日本語で喋ってくれ」
ハッとして、久遠さんの顔を見上げた。
今の発言に驚いていた。
見た目100%欧米人の彼女が、日本語を話せることに驚いたわけじゃない。
久遠さんが呼んだ彼女の名前は、
“ミカコ"
それに驚いていた。
ついリビングの方を振り返ってしまう。
回し車の音がカラカラと聞こえていた。
あっちもミカコさんで、こっちもミカコさん?
同じ名前であることに、偶然ではない何か嫌な物を感じるのだけど……。