ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
日本語で話すように言われた彼女は、私に向けニッコリ笑い自己紹介してくれる。
「ハジメマシテ。私は、美果子・オリビア・コリンズいいます。
父が、アメリカ日本ハーフね。
日本語聞くはOK。話すは少し」
変な日本語だけど、きっと私の英語力よりは上。
片言で説明された話によると、彼女の父親がハーフで彼女はクォーターなのだそう。
見た目に日本人らしさが見当たらないのに、名前が美果子なのは、
そういう背景があってのことだろう。
それよりも何よりも気になっているのは、
久遠さんとどのような知り合いかという点。
それについて美果子さんは、こう言った。
「私とレイシ、カルフォルニアのJSM財団研究所、一緒でした。
10年ぶり、会いに来ました」
カルフォルニアのJSM財団研究所……
10年ぶり……
その言葉で思い浮かぶのは、久遠さんの辛い過去。
もしかして、美果子さんは……。
きっとそうなのだろうという予感と、そうであって欲しくないという希望のもと、
久遠さんの顔をうかがい見た。