ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


元恋人を忘れられないから、同じ名前にしたのではなかった。



私が危ぶんでいた理由と逆の理由だったと知り、ホッとした。



納得して、立ち上がった。


ブランコを間に挟んで久遠さんと向かい合い、念のために聞いてみる。




「美果子さんと、ヨリを戻す可能性は?」



「0%。当たり前だろ」




それを聞いて、やっと私に笑顔が戻った。




「帰って、すき焼き食べましょうか?」



「ああ。腹減ったな」




すっかり機嫌の直った私は、久遠さんと並んで児童公園を後にする。



良かった。

変に不安に思う必要は、なかったんだ。



帰ったら、ビールを飲んですき焼きを食べながら、残りの質問も普通に聞いてみよう。



“美果子さんと、どんな話をしたのですか?"



これについてもきっと、「なーんだ」と言いたくなる答えが帰ってくるはず。

そう思っていた。





< 375 / 453 >

この作品をシェア

pagetop