ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
元恋人を忘れられないから、同じ名前にしたのではなかった。
私が危ぶんでいた理由と逆の理由だったと知り、ホッとした。
納得して、立ち上がった。
ブランコを間に挟んで久遠さんと向かい合い、念のために聞いてみる。
「美果子さんと、ヨリを戻す可能性は?」
「0%。当たり前だろ」
それを聞いて、やっと私に笑顔が戻った。
「帰って、すき焼き食べましょうか?」
「ああ。腹減ったな」
すっかり機嫌の直った私は、久遠さんと並んで児童公園を後にする。
良かった。
変に不安に思う必要は、なかったんだ。
帰ったら、ビールを飲んですき焼きを食べながら、残りの質問も普通に聞いてみよう。
“美果子さんと、どんな話をしたのですか?"
これについてもきっと、「なーんだ」と言いたくなる答えが帰ってくるはず。
そう思っていた。