ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
何物か分からない実験機器が壁際を埋めて、
中央には机が二つ。
前後に、同じ方向を向いて並んでいた。
割と片付いている方のデスクに、
彼は、私の食べかけの定食トレーを置いた。
「ここで食え」
そう言われた。
久遠さんは壁際の謎の装置の前で、仕事の続きを静かに始めた。
私は彼のデスクで、もそもそと定食の続きを食べ始めた。
机の端には彼が書いたと思われる、何十枚ものレポート用紙が積まれていた。
グラフや数式が、細かな文字でびっしり書き込まれ、
それらの意味を説明する文章は、全て英語で書かれていた。
少しだけ英語をかじっている私にも、専門用語が多過ぎて読めなかった。