ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「もちろん、私も行きますよ!」
「気を遣うな。お前に辛い思いをさせたくないと言ってるだろ?」
「大丈夫です。
今、久遠さんが愛してると言ってくれたから、もう大丈夫なんです。
女はその一言で、強くなれるんですよ?
一緒にアメリカに行きましょう!」
声は震えていないと思う。
いつもの私らしく、明るく言ったつもり。
顔を上げて久遠さんに笑顔を向けると、
探るような視線が私の目の奥を、じっと覗いていた。
白衣の衿を掴んで引っ張り、少し背伸びをして、初めて自分から唇を重ねた。
いつもは完全受け身な私だけど、
今日は私から……。
舌をさし入れ、ぎこちなく動かしてみた。
初めは私のしたいようにさせてくれた久遠さんだけど、
すぐに立場は逆になる。
腰を引き寄せられた。
髪の毛に彼の指が潜り込み、後頭部をガッチリ固定される。
私の舌を押し返して彼の舌先が口内に侵入し、優しく撫でて、強引に絡み付く。
ふたりの熱が、口の中で溶け合った。
少し息苦しくて、でも最高に気持ちのいいキスは、
あと何回したら、終わりになってしまうのか……。