ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
笑顔で手を振る私の前で、愛しい人の背中は消え、ドアがバタンと閉められた。
まるで固まってしまったかのような作り笑顔のまま、
私は手の中のミカコさんに話しかける。
「行っちゃったね……。
ミカコさんも久遠さんとバイバイなんだよ?
アメリカには連れて行ってあげられないの。ごめんね。
これからは、私とふたりで生きていこうね……」
リビングに戻り、ケージにミカコさんを戻した。
ミカコさんはちょこまか動き回った後、おがくずの中に潜り込み、お昼寝態勢。
私は泣かずに済んだことに、ホッとしていた。
最後まで笑顔をキープした自分を褒めてあげたい。
「やればできるじゃない……私……」
ソファーに仰向けに寝そべり、
じっとしていた。
ベランダ越しに見える空は、憎らしいほどに青く清々しく、晴れ渡っている。