ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


疲れがどっと押し寄せていた。


慣れない嘘をつき続けるのは、
物凄くエネルギーがいるのだと知った。



何もする気になれず、ソファーに寝転び、ただぼんやりと青空を眺めていた。




そのまま時間は流れて、およそ二時間後。

リビングの壁掛け時計は、17時5分を示していた。


成田発ロサンゼルス国際空港行き、NH006便の離陸時間だ。



滑走路を走り出した飛行機は、
大空に飛び立つ頃なのか……。



体を起こして、ソファーから立ち上がった。


ゆっくり歩いて、ベランダに向かう。


ガラス窓を開けると、外の蒸し暑い空気の中に出て行った。



ベランダの冊に手をかけ、空を見上げる。


17時過ぎの空に、まだ夕日の気配はない。


遠くのビルの向こうに、もっさりとした入道雲の塊が見えるが、

私の上空は、ただ真っ青な空が広がるのみ。



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