ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「く、久遠さん!?」
「今すぐ目を通してサインするから、少し待ってろ」
書類をすぐにチェックしてくれるのも、それを待っていろと言われるのも、別に困らないけど……
これは困る。
どうして、この体勢!?
私の体は、久遠さんの上にあった。
彼と向かい合い、太ももを跨いで座らされ、
私が逃げ出さないよう、左腕でウエストをがっちりホールドされている。
そんなおかしな体勢で、久遠さんはノートPCを押しやり、デスクに書類をドサッと置いて、
パラパラ捲りながらチェックを始めた。
白衣の胸元にピッタリ頬を押し当てる格好になってしまった私は、顔が真っ赤になっていた。
久遠さんの香りがする。
たくましい大胸筋の盛り上がりは、着衣越しにも伝わってくる。
記憶の中から、最近の彼の裸体が勝手に浮かび上がって、照れずにいられない。
それに加えて、こんな体勢を万が一にでも他の職員に見られたらと思うと、
恥ずかしくて仕方ない。