ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
店員さんが選んで持ってきてくれたのは、
黒に縁取られた、赤いレースの下着、上下2点セット。
確かに、色気と刺激に満ちている。
ブラジャーより、パンティがやばい。
布面積が小さすぎる上に、
スッケスケ。
これは無理だ。
こんなの履いて出掛けたら、一日中お尻が気になって、
仕事どころじゃなくなってしまう。
やっぱり花柄ピンクにしようと思った時、
「大丈夫ですか?」
店先で、誰かが誰かを心配する声がきこえた。
もしかして……?
そう思い、手の中の下着を店員に突き返した。
慌てて、ランジェリーショップから出る。
店前の壁に、久遠さんが寄り掛かり、うなだれて立っていた。
苦しそうな息で、肩を上下に大きく動かしている。
どうやら限界に達して、具合が悪くなってしまったみたい。