ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
結局、強引な店員に下着を買わされてから、その場を後にした。
レストルーム近くの奥まった場所に、小さな休憩所を見つけた。
自動販売機と、皮張りの長椅子が一つあるだけの空間だ。
椅子の端に私が座ると、
久遠さんは私の太ももを枕に、
ゴロンと寝そべった。
その行為に驚いたが、やめて下さいとは言えなかった。
横になりたくなるほど疲労させてしまったのは、私だから。
それに……
不思議と嫌じゃなかった。
むしろ嬉しい。
信用するとまではいかなくても、
少しは歩み寄ろうとしているのかも……
そんな風に思っていた。
久遠さんは、天井を見てぼんやりしていた。
無言の間が少し続いてから、
「悪かった……」
そうポツリと言った。
私に向けた謝罪なのだろうけど、
振り回してしまったことを後悔中の私には、すぐにピンとこない。
ゆっくり首を傾けた私を見て、
彼は言葉を足した。
「女を馬鹿にするような言い方して、悪かった」