君から好きを引き出す方法




躊躇うのは相手が玄だから。


毎日散々繰り返された事を考えれば当然の警戒なのだけど・・・。


でも、今は状況が違う。


さすがに何かしてくるほどの危険さを感じられない今日の玄に信用を置くと寝室の前に立ってみる。



ノックするべき?


でも、寝てたら起こしてしまう。



扉の前で不動になっていた手を意を決してノブにかけ、ゆっくり静かに扉を開けると玄はベッドの中で静かに眠っていた。


薬が効いたかな?


静かに近づくと顔を覗きこみ、やっぱり整った顔をしているな。と感想を抱いて見つめてしまう。


改めてじっくり見る玄の顔はやっぱり女の子達が騒ぐだけあると思った。


性格は最低なのにな・・・・。


そっと手を伸ばして額に手を当ててみる。


まだまだ高い熱は玄の身体を熱くしているらしく、自分の手に伝わるそれにやはり冷却材が必要だと判断した。


額の手を外し、近くに置いておいたそれに伸ばし変えようととした時だった。


私の離れかけた手を掴む異常な熱に意識を戻す。


掴まれた腕、それにつながるのはもちろん玄で。


突然の事に体がビクリとして驚いているとゆっくり玄の目蓋が開かれた。



「・・・何してんだ・・・?」


「あ・・・、勝手に入ってゴメン。・・・冷却剤・・・貼ろうかと・・」


「・・・・寝室に来るなんて・・・、誘ってんのか?」


「・・・あり得ない。病人は寝てなさいよ」



アホか。とさらりとかわした筈だったのに、私をつかむ腕に力が入ったことで視線を絡めてしまう。


まだ熱っぽいまどろむ瞳。


なのに・・・。




「・・・・こんな美味しい状況で?」


「は・・はは?・・・何言って・・・」


「・・・・・美咲・・・・俺はお前に惚れてる男だって忘れてんのか?」




心臓が危険を感じて飛び跳ねる。


だって玄の目が妖しい光を放ったから。


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