full of love~わが君の声、君の影~

夜中の3時を回り
俺がトイレに行って戻ってくると
彼女はソファを枕に寝ていた。

なかなか休み取れなかったって言ってたもんな・・

「今日子さん・・こんな所で寝たら風邪ひいちゃうよ・・俺のベッド使っていいから」
彼女の肩をたたく。
「うーん・・ここでイイ・・」
「ダメだよ。行かないならお姫様抱っこで連れてってあげようか?」

とパッと彼女が飛び起きる。
「それは勘弁して~わかった自分で行きますぅ・・」
ヨレヨレと立ち上がる。
「大丈夫?」
俺が手を差し出すと
それを制して
「大丈夫。」
彼女はひとりで寝室に入って行った。

お姫様抱っこ・・してみたかったけど
彼女の性格からして拒否られるのはわかっていた。

今彼女に触れたら
酔いの勢いで何をするかわからないし・・・


俺はおとなしくリビングのソファで就寝。

・・・・・

って寝られるかっ

扉1枚へだてた向こうに彼女がいるっていうのにっ

前だったら酔っていようがいまいが
気にせずいけたのに

こんなに俺って臆病だったか・・?


もし・・
考えなくていいことを考えてしまう。

もし彼女がずっと離婚しないままだったら
俺はどうしていたのだろう

奪っていたのだろうか?

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