full of love~わが君の声、君の影~
悶々としつつうつらうつらとしていたら次第に辺りが明るくなってきた。
(あ、カーテン閉めてないかも・・)
ふと寝室のカーテンを閉め忘れたような気がした。
高層階とはいえ仕事柄外からの目線が気になって
基本閉めっぱなしなのだが
彼女が来る前に空気の入れ替えで開けたような・・
テンパッていたのでよく覚えていない。
そっとドアを開け
そっと中に入った。
部屋はうっすらと明るく
寝ている彼女の姿がうっすら見える。
キングサイズのベッドなのに
すみっこで身体を丸めて寝ている。
猫みたい。今日子さんらしい。
カーテンは少しだけ開いていた。
遮光カーテンなので閉めるとほぼ真っ暗。
だからうっすら見えるうちに彼女の寝顔を見せてもらおう。
そ――と近づき
そ――っとベッド脇に膝をつくと
そ―――っと彼女の寝顔を見た。
不思議だ
つい12時間前まで
もう2度と彼女に会えないのではないかと焦っていた
なのに
その12時間後
今目の前で
俺の部屋で
俺のベッドで
彼女が寝ている
(夢じゃないよな・・)
と思った瞬間
ぱち
彼女の目が開いた。