full of love~わが君の声、君の影~

神がためらいがちに話しだす
「こんな時に話す話じゃないのはわかってる・・でもお前には話しておきたい・・ちゃんと知っておいて欲しいんだ・・もちろん今日子さんにも」
「・・・」
聞かなくてもわかってる

「こんなことでもなければわからないなんて俺は本当にバカだと思う。でも気づけた。だからその気持ちを今彼女に伝えてきた」
「・・・」
「怖かった。彼女のことは平気で傷つけたのに自分が傷つくのが怖かった。お前たちのこと散々言ってきたのにこのザマだ・・初めてだよこんな想いは」

神が自分のことを話すのは珍しい

「でももう逃げない。お前たちの様になれるようにがんばるよ」

がんばると言いながら自信はなさ気だった
俺からみれば仕事も女も自信満々な男だった
そんな奴がうらやましかった

なのに目の前にいる男は本当に俺の知っている神島眞一なのか?
たった今1人の女をゲットしてきた男とは思えなかった

俺は神の目も気にせず涙をぬぐうと顔を上げて言った
「今日子さんはわかっていたよ・・こうなること・・一時俺がお前たちをくっつけようと躍起になっていたことあったろ?その時に「いい加減にしなさい!」って怒られたんだぜ・・俺」

その時の今日子さんの顔を思い出したら俺は笑っていた

――『あの2人は突っつけば突くほど余計に意固地になるだけ。時が立てば自然と向き合えるようになるわ・・咲が若すぎるのよ・・神島くんもまさかこんな若い子に心奪われるなんて思ってもなかったのよ。咲が大人になればまた2人の関係も変わってくるわきっと』

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