full of love~わが君の声、君の影~
ガチャ
「あれ?お客様?」
玄関が開いた
彼女の声だ
想定内とはいえドキッとする
「あ。神島さん・・」
彼女の顔が一瞬こわばるがすぐに戻る
「いらっしゃい。びっくりした」
両手にさげた買い物袋を床に置く
「さきねーちゃ、おかえり~」
さくらが俺の手から離れ彼女に飛びつく
彼女の顔から笑顔がこぼれる
(俺の顔を見た時と大違い;)
さくらにまで嫉妬するようじゃなあ・・自分に苦笑する
「おかえり」
俺は床に置かれた袋を持ち上げた
「あ、ありがとうございます・・」
ぎこちない返事。
無理もない葬儀の時は離れた所から会釈したのみ
話すのは5年ぶりだ