full of love~わが君の声、君の影~

「もしもし?あら?お久しぶり♪」
俺の声も聞かずにあっけらかんとした声で彼女は出た。

見舞いメールをくれなかったことに文句のひとつも言うつもりでかけたのに
ひさしぶりすぎたのか?彼女の声を聞いただけで戦意喪失してしまった。

半年以上も連絡していなかったというのに彼女の声は変わっていなかった。
考えてみれば勝手に断ったのは俺の方だ。


「もしもし?あれ?」
「あ、ああお久しぶりです・・スミマセン急に電話して・・今大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。土曜日だけど子どもも友達と出かけてしまったし・・仕事もないし暇してたところよ」

気持ちが凪いでいく つくづく俺はこの人の声に弱いんだなあと思う。
「どうしたの?何かあった?」
「え?ああいやあ・・」

そうだよな、半年以上電話してないのに急にだもんな・・
「えーと・・実はおととい瑠・・彼女にふられまして」
「え――――――!」

思わず携帯から耳を離してしまった。
そんなに驚く?

「え――?なんでなんで?」
なんだよその楽しそうな声!すっかりゴシップ好きなおばさんじゃん;

「なんでって・・やってはいけないミスを犯しまして・・」
「ミスって?」
「それは・・」
って言えるかっ

「それは言えないけど・・俺が悪いんです。ふられて当然なんです・・」
「・・・それでいいの?」
「は?」
「それでいいのかって聞いているの!彼女を追いかけたの?謝罪したの?」
「いえ・・」
「なんで?いいの?しなくて?」
「いやあそれはそうなんですけど・・う。」
「?」

急にこみあげてきた!
ドタドタドタドタドタ―
おえええええええ

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