full of love~わが君の声、君の影~
俺は奴の真横の椅子に陣取った。
「なあ聞けよ。その時一緒に渡してくれた水だってぬるかったんだ」
「ふーん?ぬるい水ねえ・・」
「腹痛で苦しんでいる人間に冷たい水は恐怖だ!そうだろう?」
「・・まあそうだな・・またピーピー言いだすかもしんねえもな」
お?神の奴ちょっと乗ってきた?ようやく雑誌から目を離す。
「だろう?わざわざ常温(・・)のミネラルウォーターを探してくれたんだ!なあすごいだろ?」
「・・・」
「ストールをかけてくれたのだってこれ以上腹が冷えないようにするためだったろうし・・実際あれでずい分楽になった」
「・・ふ~ん」
と神は相変わらず表情をピクリとも替えずに俺から雑誌に目を戻した。すると
「看護師さんなんじゃねーの?」
「・・・」