Suddenly~せめてもう一度~
気を取りなおしていつものように化粧を始める。
少し早めに寝たのが吉と出たのか化粧ノリは悪くはなかった。
普段は手抜きですませるが、今日は化粧で気分だけでもあげようと念入りにおこなう。
タレ目がちな目にスパイスを効かせるようにキリッとはね上げたアイライン。いつもより少しキラキラするアイシャドーをぼかす。
チークなんていつぶりだ。なんて考えながらブラシに取って頬に重ねる。
淡いピンクのリップで仕上げる。
あまり濃いメイクはしないがこういう日には悪くないなとにやっと笑った。
と、同時にドアが開いた。
「華~、着付けするからいらっしゃい。」
『はーい…』
今日の第一声はこの返事である。
それはまあ、どうでもいいが。
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