黒色女子を個人授業
仕事を外された私は、休憩スペースのソファで力なくうな垂れた。


どうすればいい?

どうしたら信頼を取り戻せる。

それとも、もう今さら何をやっても遅いのかな。


崩れるのって、こんなにもあっけない。


しばらくぼんやりとしていると、上からぶっきらぼうな言葉が降ってきた。

「辛気くせえツラしてんな」

仰ぎ見た彼は、タバコとコーヒーを抱えて、今にも舌打ちしそうな顔をしていた。

「今井さん……」

消え入りそうな私の声に、彼は仕方なくソファの隣にドカッと腰を下ろした。

話を聞いてくれるってことだろうか。

私は胸の内をひとつずつ吐き出した。

「……また、やらかしてしまいました」

今井さんは黙って耳を傾ける。

「担当、外されちゃったんです……」

「……」

「失敗して迷惑かけてばかりです……
自分が情けない……」


顔を伏せて必死に涙を隠す私の頭を、今井さんはポフポフと優しく叩いた。

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