薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
ホームページを見て素敵だなと思っていた、ソフトマーメイドのウェディグドレスの試着を店員さんにお願いしようとしたら、「ダメですって!」と横から美希ちゃんに首を振られてしまう。


「先輩達の披露宴は、外資系のMホテルですよね? 出席人数を聞く限りあのホテルで一番広い会場なんです。広い会場にシンプル過ぎるドレスは、貧相に見えちゃうんですよ」

「なるほど」

そう頷いている間も美希ちゃんのじっくりと獲物を選別するような眼光は、200着以上はあるというドレスに注がれる。

「愛さんは鎖骨のラインも綺麗だし、うん。これの試着お願いしまーす」

あるドレスの前でピタリと足を止めた美希ちゃんが明るい声で店員さんに声を掛ける。

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