薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
私だって、優生の過去が気にならないって言ったら、嘘になる。
でも、女性関係が派手だったなんて思ってもみなかった。

私、考えてみれば優生のこと――。まだまだ知らないことばかりだ。

穏やかだった心に重い鉛を落とされたように不安が広がっていく。
でも、一呼吸置いてから俯いた顎を引き上げた。


「ゆりえさん。あのっ、優生の女性関係って……」

「ふふっ、興味ある?」

知りたいような、知りたくないような。
そんな複雑な気持ちで固唾を呑み、彼女の答えを待ち構える。

すると、ふふっと意味深な笑みを浮かべたゆりえさんから、とんでもない言葉が返された。

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