薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
「そうね。彼が一番夢中になった相手は、還暦間近の美人デザイナー。そう、私よね」
何てこともないようにサラリと返されて、「えっ」と絶句する。
カシャンッと何かの音が聞こえて視線を流すと、どうやら私と同じように驚いて声も出ない美希ちゃんがスマホを落としてしまったらしい。
20代の頃は、モデルをしていたことがあるというゆりえさんは、実年齢よりも若々しく見えるし。
優生と並んで歩いていたら、親子というより恋人同士に見えるかもしれないけど。
美希ちゃんと顔を見合わせると、それまで黙り込んでいた松田課長が口を開いた。
「まったく、二人とも固まってるじゃないか」
彼は呆れたように言うと、床に落ちたスマホを拾って美希ちゃんに手渡す。
何てこともないようにサラリと返されて、「えっ」と絶句する。
カシャンッと何かの音が聞こえて視線を流すと、どうやら私と同じように驚いて声も出ない美希ちゃんがスマホを落としてしまったらしい。
20代の頃は、モデルをしていたことがあるというゆりえさんは、実年齢よりも若々しく見えるし。
優生と並んで歩いていたら、親子というより恋人同士に見えるかもしれないけど。
美希ちゃんと顔を見合わせると、それまで黙り込んでいた松田課長が口を開いた。
「まったく、二人とも固まってるじゃないか」
彼は呆れたように言うと、床に落ちたスマホを拾って美希ちゃんに手渡す。