薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
心の問いかけを遮るように、夢はいつもそこで途切れてしまう。
ハッと目を開くとぼんやりと霞む視界の先に、長いまつげを伏せている優生の顔があった。

大地からの電話の後。
今日は自分のアパートに帰ろうとも思ったけれど、「今日も泊まっていけよ」と言ってくれた優生の言葉に甘えて、彼のマンションに泊まることにした。

「愛。眠れないのか?」

ぼんやりしていたら、隣で寝ていた優生が起きていたようで、「うん」と曖昧な笑みを返す。
私を見据える瞳が微かに揺れた。

「お父さんの体調……心配だよな」


静かに返された言葉に、目の奥に押し留めていた熱が込み上げるのを感じる。

昔から病院が大嫌いな父は、『病気は気合いで治るモンだ!』と軽く言ってのけてこれまで生きてきた。

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