薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
そんな心の声が顔に出ていたようで、「大地くんが言ってたからさー」と返される。

「あっ。でもそれは……まだ迷ってるんです」

隣に立つ彼にチラリと視線を流す。

私と目が合った優生が何かを告げようとしたその時。
それまで押し黙っていた父が、大きく歩幅を取って歩み寄ってきた。

「おいおい。なぁーに、すっとぼけたこと言ってやがる」

胸にまで響くような怒声にビクッと肩を震わせると、父が鋭い眼差しを向けてきた。

「まさか。俺の体が心配だから、なんて言うんじゃねぇだろうな?」

そんな風に唐突に怒鳴られて、昨日からずっと心配で痛み続けてきた胸に新たな傷が食い込む

どうしてわかってくれないんだろう……。
どうすればわかってくれるの?

< 44 / 95 >

この作品をシェア

pagetop