薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
触れあう唇が、指先が、あの日のプロポーズが夢ではなかったと思わせてくれるから――。

口内に入り込む彼の熱を受け入れるよう優生の首の裏に手を回して、絡み合うようなキスを重ねていく。

だけど、触れあう唇からいつもとは違う熱を感じて、重なりあう胸板にそっと手を添える。
それが合図となって彼の唇が名残惜しげに離れていった。


「ねぇ、優生。ちょっと……体が熱いみたい」

長いキスで息が少し乱れてしまう。
はぁっと熱い吐息を吐き出すとキスで濡れた下唇を親指でなぞりあげられ、色気を纏った瞳が私を見つめた。

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