薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
父と何かを話したらしい優生は、『心配いらない』というようなことを言っていたけれど、胸に広がる不安は拭いきれずにいた。

胸にしこりのようなものを抱えながら、重い足を引きずるようにしてアパートに辿り着く。
郵便受けに何もないことを確認してから、自分の部屋へふと視線を動かすと、「えっ」と思わず声が出た。

「あれ。部屋の電気が……ついてる」

合鍵を渡してあるのは、優生と父しかいない。

優生が来るときは連絡くれるはずだから。もしかして、お父さん? 

パンプスの踵を鳴らし、自分の部屋がある2階まで駆け上がる。
ドアノブを掴んで開けようとしたら、内側から鍵をかけてくれているらしくガチャッと鈍い音が鳴るだけでドアは開かなかった。

「あぁっ。もうっ」
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