薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
そう思うと、前を向く優生の横顔が、ほんの少しだけ強張っている気がする。

もしかして優生も、ちょっとだけ緊張してたりする?
そうだったら、やっぱりちょっと嬉しいかも……。

心の声を言葉にしたら、きっと意地悪に否定されてしまうから。
涼しげな彼の瞳にそっと笑いかけてから、視線を前へと向けた。




婚姻届を提出する役所は、優生のマンションから歩いて5分程の距離にあった。
休日用の窓口で手続きを済ませると、白髪が少し混じった男性警備員が柔らかく笑いかけてきた。

「正式な受理は月曜になりますが、入籍日は婚姻届を提出された本日になります。ご結婚おめでとうございます」

丁寧な口調にホッと胸を撫で下ろしてから、優生と幸せの笑みを彼に返す。

葛城 愛になったんだなぁ……。

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