薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
優生は『何でもおいしい』と言ってくれるけど、優生の好きなものがいいよね。
そうなると和食なんだけど。ケーキも作りたいし。どうしようかな……。

いつもより凝ったディナーのメニューを考えていると、「買い物なら済ませてある」とソファの隣からポツリと声が届く。


「えっ。そうなの? 買っておいてくれたんだ」

じゃぁ、冷蔵庫の中身を見てからメニューを考えるか……。

ソファから立ち上がり、オフホワイト基調のキッチンカウンターに足を向ける。
畳んで置いていた白と黒のボーダー柄のエプロンを手に取り、腰紐を後ろ手に軽く結んだところで、指先がガシッと強く掴まれた。


「ソレ。つけなくていいから……」

背後から届いた声に、「えっ」と彼を振り返る。

「でも、エプロンしないと服が汚れちゃうかもしれないし……」

今日は、いつもよりおしゃれをしたいと思って、冬のボーナスで買ったグレーのニットと黒の膝丈のスカートというお気に入りの服装で来ていた。

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