薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
会社での優生は、仕事も出来て、出世を願うライバル達にも隙を見せない完璧な男だ。
付き合う前にふたりで行ったお祭りでも、彼の射的の腕はプロ並みで、行き交う人の足を止めるほどその姿はカッコ良かった。
でも、変なところで不器用なところもあって、彼の弱点のひとつが『料理』でもある。
「えっと。えっ――とね……。すごく、ものすごーく嬉しいけど。無理しないでいいよ? 指とか切ったら大変だしね。ははっ」
これもまた、いつの間に購入していたのか。
自分用のマイ包丁まで持ち出した優生に、恐る恐る近づいて声をかけてみるというのに。
「指なんて切るかっ。料理なんて、俺にかかれば余裕だから」
「ふっ」と得意げに鼻まで鳴らされてしまい、苦笑いを浮かべるしかない。