薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
一度、一緒にカレーをつくろうとして、『ジャガイモは俺が担当な』と彼が言ったジャガイモが、元の姿の6分の1ほどの大きさになってしまったのは、記憶に新しい。

そういうわけだから、普段料理なんて全くやらない優生がやる気になってくれて、その気持ちがすごく嬉しい。

だけど今日だけは、私にだって譲れない事情があるんだから……。

エプロンの紐を後ろ手に、ギュッと結び直す。


「でもっ。今日は入籍日だけど、優生の誕生日でもあるし。やっぱり私がお祝いしたいよ」

包丁を置いて、冷蔵庫の扉を開けようとした優生の肩にそっと触れる。
すると、ゆっくり振り返った彼が少し照れたように瞳を細める。

そのまま腰を優しく引き寄せられたら、「大事な日だからな……」と顔を傾けてきた優生がそっと唇を重ねてきた。


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