薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
そんなにもまっすぐ見つめられたら、嬉しいのに照れくさいな……。

「優生って、いつも突然……だよねっ」

照れている自分を隠すように、わざと口を尖らせるようにしたら、僅かに瞳を細めた優生にそのまま顔を覗き込まれる。

「確認したほうがいいのか?」

掠れた声が頬に触れるだけで、また体温が上がりそうになる。
それだけでなく、自分で言ったくせに、改めて聞かれるとわからなくなった。

でも、私よりもワインを多く喉に流し込んだはずの優生は、どこまでも涼しげな顔でいて、それが少しだけ悔しいと思ってしまったから。

「じゃぁ。これからは……確認して」

勢いそのままに返すと、「わかった」と、なぜか含み笑うように答えた彼が、私の方へ足を組み返す。そのまま左肩を掴まれ、長いまつげを伏せた端正な顔がゆっくり近づいてきた。

えっ。いまの、いまから!?

心の準備ができておらず、慌ててまぶたを下ろす。
すると少しの間を置いてから、ついさっき触れ合った下唇をそっとなぞり上げられた。

滑らかな指の動きにピクリと肩を跳ねあげたら、「愛」と色気を含んだ声で囁かれる。


「ここに、キスしていい?」

反応を試すような意地悪な囁きに、カッと頬が紅潮する。

そんな確認の仕方って……。

唇を僅かに触れあわせながらの確認は、想像していたよりずっと恥ずかしくて、煩く脈打つ心臓が壊れそうになる。

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