薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
そのあとは、絶え間なく与えられる愛撫に声を抑えながら、深く繋がった彼とのぼりつめていった――。





数カ月後。
春の訪れがあと少しだと感じさせるあたたかい日差しが、窓から差し込む。
今日は、私と優生の結婚式が都内のホテルで執り行われることになっていた。

広々とした控室で両家の紹介が終えると、私の父が満面の笑みで優生に歩み寄る。


「なぁ、葛城君よ! 前にも言ったけど、俺は歌には結構……いや、かなりの自信があるぞ。高良町カラオケ大会8年連続チャンピオンとは、何を隠そう、俺のことだからな!!」

すでにお酒で出来上がってしまっているのか、元からの性格なのか。

ガハハッと笑い声を上げながら、白いタキシードに身を包んだ優生の肩をバシバシッと勢いよく叩く父を横目に見ながら、心で毒づいてやる。

隠す気なんて、これっぽっちもないクセに……。
カラオケ大会だって、町内会長という立場を利用しての組織票じゃないの?

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