青空の下月夜に舞う
彼女は座ったまま。

パンを食べている姿が視界に写る。


慶太郎は。

何。わざとらしい笑みを浮かべて、私の目の前で立ち止まった。



さっき無視したよね?
た、他人の振りするんじゃないの?!


「お、お客様……どうかなさいましたか?」


当たり障りのない言葉。

慶太郎がどう出るのか待とう。
背中には嫌な汗。


何故私が狼狽えなきゃいけないの。

私が口を開き、少し目線の高い慶太郎を見つめた時。


「オネーサンのオススメどれ?」

「……へ?」


間抜けな声が漏れた。


は?へ?


「どれも美味そうだから。お土産買いたいんだけど、数がありすぎてわかんねぇから。適当にオススメ13個お願い出来る?」




雰囲気が。
家に居る時とは違う。

やはり他人のふりをするんだ。
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