青空の下月夜に舞う
事を済ませると、スマートに服を着て、私にも支度を促す。


衣服を身に纏い、スーツケースを手にすると、柔らかい笑みを浮かべた雄大は私の腰を抱いて歩き出した。



ホテルの目の前には黒の車。
この間話しかけられた時と同じだ。

後部座席に乗せられ、腰からやっと手が離れた。

雄大は助手席に乗り、運転している男に「おまたせ」と声をかけると、ゆっくりと走り出した車。


エアコンがきいた車内は、少し肌寒かったけど……長々と乗ると思った車は数分で停車。



「麻衣。行くよ」


その声に、ドアを開けて車を降りた。



目の前には、まあまあ綺麗なアパート。
鍵を手にくるくる回し、前を歩く雄大に続く。

三階建ての二階。一番奥の部屋で足が止まり、“203”と書かれた扉の鍵穴に雄大が触れた。
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