青空の下月夜に舞う
その中の一人の男の人が、私に気付く。


「あ」


あんなにガヤガヤしてたのに。
皆の視線が一気に刺さる。


「あ、えっと。」


どうしたらいいのだろう。
一瞬戸惑ったけど、私の頭はフル回転。


「お風呂、ありがとうございました……」


選んだ言葉は、慶太郎を見つけてお礼を告げる事。一番無難で、違和感がない。

シン、と静まる室内。


そして。


「美咲は?」


動いた唇は、慶太郎のもの。
けれど、私はその名前を知らない。


「美咲って誰です、」

「ここ、ここ~」


誰ですか、と口にしようとすれば、足音が後ろから聞こえて。

振り返ると、お風呂に入ったのに完璧メイクな裸女が立っていた。


ちょ……化粧すんのどんだけ早いのさ。
私上がって部屋行ってリビング来たんだよ?

髪は濡れてるけど、そのアイメイクは二分、三分で出来上がるの?
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