神風の如く






「あ、ありがとうございます」





手渡された饅頭は、ホカホカと温かく華蓮は顔を綻ばせた





一口、パクッとかじると、現代とは違う美味しさがあり、華蓮は目を輝かせる





「おいしいっ…………」





つい土方を見ると、一瞬驚いたような顔をしてから笑った






「そうか………よかったな」






ぜんぜん、鬼、なんかじゃない────





根はとても優しくて、でもそれを表に出せない不器用な人





はじめて話したときとは違う、土方に対する新たな気持ちが芽生えていた













「食い終わったか?
なら、もう少し付き合え」




「はい!?」





用が済んだら帰るものだとばかり思っていたのに、いつの間にか饅頭を食べて、今は土方に手を引かれ、町を歩いている





繋がれた手が、いつもよりも熱く───





このときの華蓮はきっと真っ赤であったに違いない






歩くスピードが速く、それについて行くのに必死だった華蓮は、転んだりしないようにずっと下を向いていた





だから土方に、着いたぞ、と言われ顔をあげたとき見えた景色に驚いた






「………っ、綺麗─────」






目の前には沈む夕日に照らされた、京の町





華蓮と土方はそれを少し高い場所から見下ろしていた






───この前の土方さんの後ろ姿と同じだ






華蓮は手を胸の前でぎゅっと握った






「ここは景色がいいだろう?
この前たまたま見つけてな」





「はい、わざわざ連れてきて下さってありがとうございます」





現代ではこんな景色絶対に見られない





華蓮は目に焼き付けた






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