偽フィアンセは次期社長!?



そのまんま、さっきのスペースに戻るわけにもいかず、歩きながら


「どうします?あと、とりあえず、腰を……」


腰の手は外さないと、あたし今度こそ殺される。


「あ?お前本当に細かいねー」


すっかり忘れていたようで、面倒くさそうに手を外し、


『ただ並んで歩く上司と部下』


というポジションに収まる。


そっちは何も意識してなくてもね、こっちは一大事なわけですよ……。


「とりあえず、どこか……」


昼休みでよかった。


社内のざわついた空気感に紛れるようにしながら歩く。


「なんか相変わらず荷物でけーな……」


課長があたしの紙袋に視線を送る。


いや、これアナタのなんですけどね……。
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