【短編】雨上がりのキスは傘に隠れて。
不思議だね……幼馴染みって。


小さい頃からずっと知ってるのに


和久がそんな風に私を見ていたなんて一度も思った事はなかった。


幼馴染みって


一番近くにいて案外一番遠い存在なのかも。


だけどーーー


一度、その胸に飛び込んじゃうと誰よりも近くて大きな存在になっちゃう。


それは絶対的な何か。


ううん。


きっと私の胸の奥にも和久への思いがあったんだ。


確か、和久が引っ越した後に他の誰かと付き合ったって聞いて、この思いに気づかないふりをしたんだっけ?


胸の奥の奥に閉まったんだよね。


まぁ、結局、和久が付き合った話は間違いだったって聞いたものの、何となくその後も和久を異性として見ることはしなくなった。


きっと……いつか本当に和久に大切な人が出来た時、傷つきたくなかったんだ私。


そうする事で自分を守ってた。


    
















しっかりと繋がれた手を和久のダッフルコートのポッケに入れられ、黙って歩きながらそんな事を思い出していたらあっという間に家に着いた。


一瞬、降った雪も直ぐに止んで空には綺麗な月も浮かんでいた。













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