極彩色アリス
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「………、っ」
目を覚ますと階段の入り口の牢屋に倒れていた。
少しだけ左腕を痛めたようで力が入らない。
足も捻ったのかズキズキと響くような痛みを感じる。
どうにか起き上がり身を確認する。
幸い、パーカーは破れていなかったがニーハイに穴が開いてしまっていた。
お気に入りだったんだけどな…。
呑気な事を思ったあと、直ぐにアリスの笑う顔が甦ってきた。
体を蝕まれるような、掻き毟られるような気持ち悪い笑みが脳裏に貼り付いて離れてくれない。
……久しく忘れていた怖いという感情。
【アリス】は全ての罪と罰の頂点だ。
あれが当たり前なのかもしれない。
あれを…、目指すんだ、私たちは……。
……だめ、体が恐怖に怯えて震えてる。
怖くて怖くて右腕で体を抱く。
この場にいられなくて痛む体に鞭を打って立ち上がる。
その時ポケットから兎に貰った時計がこぼれた。
床にぶつかり蓋が開いてしまった。
拾う際に時計が見えた。
もう何分も残っていない。
数秒で7時になってしまう。
歯を食いしばり、走り出した。
恐怖心から逃げるように…。