極彩色アリス
『時計は返してあげる、ただし、ここの事は誰にも教えないことだよ? 君だけはここに入ることを許してあげる代償だよ』
後ろ手で縛られていた拘束が解かれて腕が自由になる。
恐怖で動かない手を持ち上げられて小指に何かが絡まってきた。
『指切り元万嘘ついたら針千本飲ます、……約束だよ、【火打箱】』
言葉が耳元で紡がれる。
不意に視界が明るくなった。
回りを見渡しても人の影はなくランタンも机の上に戻っていて、何事もなかったかのように灯りを灯していた。
……。
いったい、あいつは何だったのだろうか。
カチャッと指に触れたのは懐中時計。
よく見るといつの間にか牢の中に座りこんでいた。
扉も開いているし、訳がわからない。
時計を見ると既に十時を過ぎていた。
……何だか、体が重くて怠い。
お風呂に入りたかったが体調の悪さには勝てず、私はそのまま自室に向かって歩き出した。
部屋につくなりベッドに身を投げ、眠りについたのだった。