極彩色アリス

嬉しそうに笑っているこいつもムカつくけど、人に抱き締められたのっていつが最後だったかな。
そう思うと、人って暖かいんだな…。
無意識に傲慢の肩に頭を置いて温もりに浸っていた。
いつもならこんなに無防備な姿は他人には見せないけど、こいつはわたしを殺さないと確信できた。
何でだろう…?
あいつにそっくりだからかな。
…あ、眠くなってきた。
流石に人様に抱き締められたまま廊下で寝るのはヤだな…。
でも、動くのもめんどくさいし…。
もうすぐでご飯…なのに…。

+++

ん…。

目を開けると見慣れない服の襟が見えた。
背中に感じる暖かさは眠る前も感じていた。
あれ、まさかあのまま眠っちゃったのかな?
だとしたら私を抱き締めているのは…。

「2回目のおはよう♪ 疲れてたの? もうすぐでご飯の時間だよ♪」

意識を手放す前に考えていたことを言われて覚醒する。
顔をあげて目を擦る。
小さな欠伸をして傲慢の顔を凝視する。

「…おはよ」

小さく言った後、ゆっくり立ち上がってダイニングに向かって歩き出す。
後ろをついてくる傲慢が何も言わなかったのは私が大人しくしていたのが満足だったからだろう。

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