極彩色アリス
扉を開けるとき、中から声が聞こえた。
強欲と憤怒、傲慢の声だ。
何やら難しそうな話をしているのか、扉越しでも冷ややかな空気が感じられた。
気にせず開けようとドアノブを握ったとき、
「怠惰ちゃん、大丈夫かな?」
「撫子ちゃんの能力で記憶ごと消して落ち着かせましたので、大丈夫だと思いますが…」
「にしても、ありゃ正常じゃねぇよ。 暴れるだけならまだしも、あんなこと…」
…?
扉に阻まれて良く聞こえないけど、三人の話の内容は私自身だと言うことは伺える。
記憶ごと消したって、あのあとのことをあんまり覚えていないのは…そのせい?
憤怒が言った正常じゃないって、まるで【あの状態の私】の事みたい。
…別にバレたからって何かがあるわけではないが、やっぱりコンプレックスは隠しておくに越したことはない。
あんまり悪口…じゃないけど聞いていていい気分ではないから扉を開ける。
音を立てず、気配も消してホントに気付かれないように。